イベントレポート
2019年08月28日

"夏のおわりのワークショップ~きみだけの「あだち妖怪」をつくろう~"を開催いたしました。

突然ですが、皆さんは「妖怪」って日本にいると思いますか?
私は、今の日本にも人知れず妖怪は潜んでいると思っています。

科学の解明や情報の伝達が不十分だった古来の日本では、身の回りの様々な出来事を「妖怪」の仕業と考えました。
「幽霊の 正体見たり 枯れ尾花」なんて川柳も、そのひとつですね。
人々は見えない妖怪に様々な思いを巡らせ、語り継ぎ、子どもたちはその話に恐れおののきました。
私もよく祖父から「あまり暗くなるまで遊んでるとオバケにさらわれるぞ」なんて脅かされたものです。
妖怪の存在が希薄になりつつある現代日本ですが、この夏に新たな妖怪がここ足立区にて誕生しました。

ギャラクシティでは8月26日(月)から9月1日(日)にかけて"夏のおわりの妖怪展"として「日本怪物観光」怪長で作家の天野行雄さんの著書「隅田川の妖怪教室」(講談社)に描かれている数々の妖怪絵巻の原画を西新井文化ホール前のモールに展示し、中日の8月28日(水)には "夏のおわりのワークショップ~きみだけの「あだち妖怪」をつくろう~"を開催いたしました。
ワークショップでは最初に講師の天野行雄さんより、日本に古くからいるたくさんの妖怪や、身近に潜んでいる妖怪のお話をしていただきました。また、ゲストとして足立区生物園より「アズマヒキガエル」、「クサガメ」、「クモヒトデ」も遊びに来てくれました!
そして、お話や動物たちからインスピレーションを得た子どもたちにオリジナルの妖怪をたくさん考えてもらいました。

ワークショップの内容はタヌキやハクビシン、コウモリのような動物のパーツ、鉄製のアイロンや蚊取豚などの昔ながらの日用品、雲や炎などの装飾の絵などを台紙にコラージュしながら、オリジナルの妖怪を作り上げていくものです。
始めは子どもたちもじっとワークシートを見つめたままでしたが、いつの間か何かに取り憑かれたかのように一心不乱に集中しながらハサミで絵を切り取り、台紙にのり付けしていました。

【レポート】妖怪WS①.jpg


【レポート】妖怪WS②.jpg

今回は47名の方に参加していただきましたが、台紙にたくさんの小さい妖怪をつくった子、台紙いっぱいの大きな妖怪をつくった子、果ては台紙2枚をくっ付けて「妖怪絵巻」をつくる子などなど、百鬼夜行もかくやといった印象でした。
子どもたちに「これってどんな妖怪?」と聞いてみると、「火を出しながら飛ぶ」、「暗いところでイタズラをしてくる」、「プカプカ浮かぶだけ」と様々な特徴をおしえてくれました。
「妖怪はたくさん知っていたけど、自分で作るのも楽しい」や「妖怪って怖そうだけど、今日はかわいいのをつくった!」など、妖怪をつくった感想も一緒に伝えてくれました。

【レポート】妖怪WS③.jpg

子どもたちが完成させた妖怪は、懐かしさを思わせつつ、それでいて目新しさを感じ、こんな生き物なんていないよねと頭では思いつつもどこかで見たことがあるような既視感を覚える、そんな不思議な作品ばかりでした。
もしかしたら、私も忘れてしまっているだけで、幼少のころにこんな妖怪たちに出会っていたのかもしれませんね。

皆さんもぜひ、「妖怪」についてふとした時にでも思いを巡らせてみてください。
きっと気付かないような身近な場所に、あなただけの「妖怪」がきっとそこに潜んでいるはずです。

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